差別?「差別?」生まれて初めて自分が「人種差別の対象」になると意識したのは、ここNeepawaでだった。 もちろん、町のほとんどの人が、私に対する差別意識なんてもってなかったと思う。 逆に、日本人というだけで慕ってくれる人の方が多かった。 でも悲しい事に、やっぱりアジア人に対して差別意識をもっている人というのはいる。 別に被害者ぶってるわけじゃなく、それは事実だと思う。 今日はいくつか、それに関連するお話。 <その1> ある日、うちの旦那がすごく怒って家に帰ってきた。 何でも、当時旦那が経営していたバーのお客さんが、 「アジア人は人間じゃないし、これからも人間にはなり得ない。」 という衝撃的な発言をしたらしいのだ。 それを聞いた時は、ショックではなかったけど、やっぱり驚いた。 今の時代に、そんなことをいう人がいるのかと。 その発言主はやっぱり(?)かなり年配の方だったらしい。 旦那はその人の事を「友達もいない寂しい老人だ」なんて言ってたけど、 でも、もしかしたら過去に、戦争なんかの悪い思い出があるのかもしれない。 私は当時、旦那の経営するそのバーで働いていたので、 「その発言をしたのはどのお客さんだろう・・・?」とちょっと気になった。 そして、その数週間後、その発言をしたのが誰だか知ったときは、 正直びっくりした。 なぜなら、その人、私にはすっごく良くしてくれるおじいさんだったから。 いつも 「実家は佐世保(長崎県)の近くか? 自分はずっと昔に佐世保に行ったことがある。 好きな日本語は『イチバン』。」 などと言っていた。 「佐世保」と聞いて、昔佐世保に駐在していた軍人さんだったのかな?と思った。 たぶん彼には「アジア人を嫌いになる理由」が何かあったのだろう。 それは聞かなかったけれど、彼が私の事を「アジア人」とひとくくりにして見る前に、「1人の人間」として見てくれてたのは確かだ。 でないと、嫌いなアジア人の顔をした私に、良くしてくれるわけがない。 彼が私に会ったことで、 「アジア人も実は人間だった!!」 という事に気付いてくれたのならいいのだけど。 <その2> これは「人種」に対する差別ではないけど、 私的に結構ショックだった出来事。 ある日町を歩いていると、小学生くらいの女の子から呼び止められた。 私が立ち止まると、その子は私に色々と質問をしてきた。 「どこから来たの? 名前は? 兄弟はいるの?」等々。 そして、一通り聞きたいことを聞いた後、その子は一言私に 「あんた、どうやって話すのかさえ分かんないの?」 と言い捨てて、去って言った。 多分 「あんた、英語もろくにしゃべれないの?」 という意味だったんだと思う。 でもその子のジェスチャーには 「あんた、バカじゃないの?」 という意味合いまで含まれていたと、私には取れた。 結構ショックだった。 その子は言いたいことだけいって、さっさと去ってしまったので、私はその場で少しの間呆然としてしまった。 それを、家に帰って旦那に話すと、 「その子は、この町の外の事を何も知らないだけだから。 たぶんその子の親も、世の中には色々な国があって、色々な言語があって、色々な人たちがいるという事を、子供に教えてないんだよ。」 って言われた。 確かにその通りかもしれない。 この町に「英語がろくに話せない人」は、私が知っている限り、私以外には居なかった。 その子にとっては、私の日本人アクセントがとても奇妙に聞こえたのかもしれない。 <その3> これはある人(Neepawaの人ではなかったけど、その周辺の人)がうちの旦那に言った言葉。 ちなみに、この人は旦那の結婚相手が日本人だということは知らなかった。 旦那がその人に、バンクーバーに住んでることを話したら、この人、 「バンクーバー?よくそんな所に住めるね。 あんなにアジア人が沢山いる町なんて、カナダの恥だ。」 と言い放った。 ・・・・・。 こういう人には何と言っていいのかわからない。 うちの旦那が日本人と結婚してることを知ったなら、彼は何て言ったんだろう。 この人とはちょっとした「商談」がからんでいたので、 うちの旦那は自分の結婚相手が日本人だということは、その場ではその人には言わなかった。 彼に恥をかかせても仕方ないので。 でも旦那は 「商談が成立して、彼がサインをした瞬間に『僕のビューティフル・ワイフは日本人なんだぞ!』と言うからね!(笑)」と言ってた。 その後、彼に会う事はなかったけれど。 <余談> これはバンクーバーでの出来事。 ある日私とさち姉が2人で道をあるいていると、 通りかかった車の中から、いきなり 水をぶっかけられた! 呆然と道にたちつくす、濡れた日本人女2人。 こっ、これはアジア人に対する嫌がらせか!? 頭にきて旦那に携帯から電話して話すと、 うちの旦那、なんと笑いやがった! 「通りがかりの車の中から水をかけられた」 というのが、滑稽だったらしい。 あまりに一瞬の出来事だったので、あれが何だったのかは今でも謎。 ・・・・と、なんだか悲観的な話ばっかりになっちゃいましたね。 でも別に、被害者意識を膨らませてるわけではありません。 ただ、そういう事もあったと、書きとめておきたかったんです。 でもみなさん、誤解しないで下さい。 私、 カナダ人もカナダも大好きです。 次の話へ |